個人だとネット銀行口座を保有している人、メインに利用している人はかなり多くなっています。
最近は法人にも同じ流れが来ているようです。2023年8月にはメインバンクはネット銀行であると回答した法人が25%に達したようです。
ネット銀行の特徴は、店舗を持たずにオンラインの取引に特化していることと、それが故の低コストで利用できることです。
ひと口にネット銀行といってもいくつかあります。
この記事では、主要ネット銀行であるGMOあおぞらネット銀行・住信SBIネット銀行・PayPay銀行・楽天銀行の4行について、簡単にまとめて比較します。
GMOあおぞらネット銀行は、現状はトータルで最もおすすめ
GMOあおぞらネット銀行は、特にスタートアップにフォーカスしている比較的新興のネット銀行です。法人の口座数は15万を突破し、順調に伸びているようです。
個人より法人に重点を置いている点はユニークです。
ここではざざっとご紹介しますが、詳細はこちらにまとめております。
GMOあおぞらネット銀行法人口座のおススメポイント
まず、おすすめの理由をご説明します。
口座開設がしやすい
GMOあおぞらネット銀行は、口座開設フォームは見やすくスマホにも対応しています。
また、オンラインで完結が可能で、最短申込当日から口座利用ができる点も優れています。
バーチャルオフィスでも口座開設は可能で、開設のハードルも高くはないようです。
振込手数料が安い
GMOあおぞらネット銀行の振込手数料は業界最安値圏です。
手数料 | |
同行間 | 0円 |
他行あて | 145円(税込) |
他行あて(とくとく会員) | 129円(税込) |
とくとく会員についてはこちら
税金、社会保険料の口座引落やペイジー支払に対応している
ユーザーからの声を取り入れて、地方税や社会保険料の口座引落に対応しました。
そのこと自体もありがたいですが、ユーザーから寄せられた声を反映したこと自体も評価したいポイントです。
最大1.5%!高還元のデビットカード
GMOあおぞらネット銀行のデビットカードは1%の還元(キャッシュバック)と法人向けの中では好条件。
GMOあおぞらネット銀行のデビットカードは1%の還元(キャッシュバック)と法人向けの中では好条件。
利用する加盟店によって還元率は0.5%から1.5%の間で変動します。
支払先が海外加盟店(Facebook広告など)の場合は1.5%とさらに好条件になる一方、税金などの支払いは0.5%になるなど、利用先によって変動する場合があります。
発行手数料無料で1口座あたり1万枚超の発行ができる点も良いと思います。
デビットつきキャッシュカードは最大20枚、サブカード(デビット機能のみ)は9,998枚発行が可能ですので、用途別にカードを分けたり、従業員ひとりひとりにカードを持たせる運用も可能です。
借入もできる(あんしんワイド)
決算書の提出不要で1,000万円までで借入枠の設定が可能です。
金利は0.9%~14.0%と幅広めです。Twitterで調査した限りは、2.5%~7%くらいが設定されることが多いように思います。
GMOあおぞらネット銀行のデメリット
私の思う限りで、懸念点もお伝えします。
システム基盤が脆弱?
2024年9月末、振込が正常に実行されないシステムトラブルが発生。
そのリカバリーの際に、依頼とは異なる振込が実行されるという、あまり聞かないトラブルが発生しました。
システムというかオペレーションが弱いのかもしれませんが・・・。
GMOあおぞらに限りませんが、システムトラブルはいつ起きるか分からないので、複数の銀行口座を開設しておいて、備えたほうがいいでしょう。
将来的なサービス品質劣化懸念
個人的に最も懸念しているポイントが業績です。
2024/3期は売上にあたる計上収益81億円に対して37億円の最終損失が発生しています。しかも、これは前期より改善した数値です。
まだ顧客獲得に重点を置いているので採算度外視の戦略を取っているということかもしれませんが、どこかで黒字体質への転換を余儀なくされるはずです。
そのタイミングで経済条件が悪化する可能性はあると思います。
まあ、そうなったら他の銀行にチェンジすればいいだけですので、現時点でGMOあおぞらネット銀行は最もお勧めしたいネット銀行であることには変わりありません。
スマホアプリがすごい!住信SBIネット銀行
スマホでの利用を重視するなら、住信SBIネット銀行がおすすめです。
また、振込手数料も安く設定されています。
個人的には、海外送金の為替手数料が安い点に注目しています。
住信SBIネット銀行のよいところ
では、住信SBIネット銀行のよいところをお伝えします。GMOあおぞらと重なる部分も多いです。
口座開設がしやすい
口座開設はオンライン完結が可能。審査基準も厳しいことはなさそうです。
他ネットバンクがNGでも住信SBIは開けたとか、その逆もあるようです。
振込手数料が安い
振込手数料はGMOあおぞらと並び最安値圏の手数料設定です。
GMOあおぞらとは違い、利用件数に応じた優遇金額が設定されます。
スマホアプリはAppstore4.7点!
残高・入出金明細の確認、振込はスマホアプリで可能です。
また、ATM利用もアプリでできちゃいます。
海外送金の為替手数料が安い
住信SBIネット銀行の海外送金(外貨送金)は、1米ドルあたり6銭と格安です。
メガバンクだと100銭かかることを考えると、破壊的な安さです。
初期手数料に5万円かかることを考えても、トータルコストはかなり抑えられるでしょう。
住信SBIネット銀行のデメリット
ここからは、デメリットを。
税金、社会保険料の口座引落に未対応(Pay-easyには対応)
住信SBIネット銀行の口座を開設して失敗した!!という声を聞くポイントが、税金や社会保険料の支払いに対応していない点です。
ですが、2024年10月からPay-easy支払いに対応しました!!!これでGMOあおぞらとも戦える!
PayPay加盟店ならPayPay銀行
PayPay銀行は、正直先にあげた2行と比較すると特段のメリットは見当たりません。
ただ、PayPayと加盟店契約を直接している場合は、他行より有利なポイントがあります。
PayPay銀行のよいところ
PayPay銀行の最大のおすすめポイントは・・・
PayPayの売上金を受取に便利!
どの金融機関でもPayPayの売上金を受け取ることは可能です。
しかし、PayPay銀行口座であれば、早期振込サービスの振込タイミングが翌日入金(それ以外は翌々営業日)!
また、早期振込の手数料がPayPay銀行なら20円(それ以外は200円)。
PayPay売上が多い法人であれば、資金繰りと費用面でPayPay銀行もありかもしれません。
PayPay銀行のデメリット
次に、PayPay銀行の気になる点を・・・。
ネット銀行のなかでは振込手数料が高め
ネット銀行の中では振込手数料が高いです。が、メガバンク・地銀・信金などと比べると圧倒的に安いこともまた事実。
PayPay銀行の口座宛 | 55円(税込) |
---|---|
他の金融機関宛 | 160円(税込) |
海外送金機能はない
PayPay銀行自体は海外送金の機能は持っておらず、PayForexという業者と提携をしています。
グループサービスを利用しているなら楽天銀行
楽天銀行は、楽天市場や楽天Pay、楽天トラベルに加盟(出店)している企業にメリットがあります。
楽天銀行のよいところ
楽天銀行のメリットをお伝えします。
楽天グループとのシナジー
楽天グループのサービスを利用(加盟)している場合は、様々なメリットがあります。
海外送金の対応通貨、国が豊富
実は、楽天銀行の海外送金はコスト面と送金先・通貨のバリエーションが優れています。
手数料は最安1,000円~。200か国以上、60通貨以上に対応しています。
ただ、送金時は円口座からの送金しかできないため、為替手数料が必ず発生する点は注意が必要です。
悪いところ
初めにあげた2行と比較すると、コスト面ではやや見劣りします。ですが、メガバンク・地銀・信金よりは圧倒的な低コストだと思います。
振込手数料がネット銀行の中では高め
こちらが振込手数料(税込です)。
楽天銀行の口座宛 | 52円 |
楽天銀行の口座宛(総合振込) | 105円 |
他の金融機関宛(3万円未満) | 150円 |
他の金融機関宛(3万円以上) | 229円 |
口座開設のスムーズさは伸び代あり
口座開設申し込みはオンラインですが、その後申込用紙を印刷の上、必要書類を添付して郵送する必要があります。
また、開設申込フォームは古臭くUI面でも伸びしろを感じます。